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5月のご案内

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現地案内のお知らせ

新緑の一乗寺界隈散策


新緑の好時節となりました。 五月は一乗寺界隈へのご案内です。


え? 一乗寺ってどこにあるの? お寺? なんて思っている人も多いはず。

そう、この一帯は本当に秘密の魅力に溢れているのです。 

またまた京都の深みにはまってみませんか。




開催日
 休日=518日(土) 平日=523日(木)

時 間 13:3016:30過ぎまで


コース予定

西本願寺北山別院金福寺―八大神社― 一乗寺不動尊―圓光寺―穂野出―

こせちゃ―下り松
 ほか秘密の場所



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           西本願寺北山別院 御聖水

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                 一乗寺不動尊


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                    圓光寺



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        雲母漬で知られる穂野出(ほので)


雨天中止 小雨決行


参加費 12800円(金福寺・円光寺拝観料800円含む)


集合解散 市バス「一乗寺下り松町」バス停(白川通です)

お申し込みは下記ファックスかホームページから、


お名前、ご住所、連絡先(携帯など当日の連絡先)、参加希望日
を明記の上お申込み下さい。


※ご参加費は当日までに下記までお振込みをお願いいたします。

※リクレーション保険に入りますので1週間前までにお申込み下さい。


○京都・清遊の会 お振込先


・みずほ銀行
出町支店(587) 普通  1161285  京都 清遊の会


・京都銀行
紫野支店(162) 普通 3236638 京都清遊の会代表西山祐子



京都・清遊の会事務局
  TEL&FAX 075-465-9096

e-mail:info@kyo-seiyu.net





「和菓子における贈答の文化」講座のご報告

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新緑の美しい季節となりました。
GWに各地へお出かけの皆さまも多いのではないでしょうか。

427日、京都・清遊の会では「和菓子における贈答の文化」講座を行いました。

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                          参加の皆さんを待つ広間


はじめに井上由理子講師より和菓子の贈答の歴史をひもといていただきました。

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江戸時代、贈答に好んで用いられた上菓子(じょうがし)の誕生のお話。
宮中や公家、あるいは将軍家や大名家の行事に注文された菓子のお話。

一般には人生儀礼やお見舞、土産としてなど、記録からたどれる菓子には現在もある菓子の名が見え、たいへん興味深いものでした。

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星のたむけ.JPG

現在、七夕の日に調製される「星のたむけ」(亀末廣)



そして今日は贈答にかなうお菓子として、虎屋の「花醍醐」
(はなだいご)をいただきました。

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このお菓子は京都限定だそうで、桜に見立てた紅色のそぼろで京都産の黒豆を使った羊羹をはさんであります。
醍醐は秀吉の花見でも知られるように桜の名所ですね。

いうまでもなく美味しくいただきました(笑)



今回は贈答の文化というテーマから、贈答品を包み、贈るのに使われる「風呂敷
(ふろしき)」について学んでみました。

昨今は紙袋などが普及していますが、「風呂敷」の歴史や役割、使い方のきまりを改めて知ることができ、その意匠やデザインも日本のしきたりと深く結びついていることがよくわかりました。


そしていよいよ包み方の実習です。
お気に入りのマイ風呂敷をお持ちになった方もおられ、色とりどりの風呂敷の花が咲きました!

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包む中身や形にあわせ、結び方の工夫で自在に対応できる風呂敷。
模様や柄、包み方、結び方によってとっても素敵な形になります。

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バッグのようにもできます。

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この結び方、洒落ていますね! 風呂敷ごと差し上げるプレゼントにいかが?


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今回の風呂敷体験?はむずかしいと思っていた包み方が意外や意外、すんなりと習得できました
。これなら家に眠っている風呂敷を活用できそうです(笑)。

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短い時間でしたが、またこのような楽しい体験講座ができればと思います。

お越しくださった皆さま、ありがとうございました。



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                上御霊神社の塀沿いに咲くいちはつ


5月の予定

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5月18日(土)、 5月23日(木)  (詳細は次頁の案内をご覧下さい。18日は締め切りました)

      「新緑の一乗寺界隈散策」             講師 堤 勇二

           午後130分~  「一条下り松」 バス停集合   二千八百円


5月26日(日)  

                東京堤塾 魅惑の京都 
 「泉涌寺」           講師 堤 勇二


           午後130分~  於 江戸東京博物館 会議室     三千円


お申し込みは右上のお申込みフォーム、ファクス、メールで受付いたします。


多数のお越しをお待ちしております。


 

                       京都・清遊の会 事務局

603-8341 京都市北区小松原北町13530108
                             TEL&FAX 075-465-9096  
                              e-mail: info@kyo-seiyu.net





魅惑の京都(京都講座)ご案内

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新講座「魅惑の京都」座学)ご案内   

いつも京都・清遊の会の講座・催しにご参加いただきありがとうございます。

堤勇二講師による「魅惑の京都」(京都開催)をご案内申し上げます。


いずれもこの会でしか聞けない圧巻の内容です!

どうぞお誘い合わせの上ご参加下さい。

 

新講座 


午後130分~430分頃

1 69日(日) 伏見稲荷大社           職員会館かもがわ  


2 811日(日) 京の火送り(送り火・松上げ他) 職員会館かもがわ

3 1019日(土) 泉涌寺              未定

4 
12 7日(土)  大徳寺                            未定



伏見稲荷 点景

 
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     くわえているのは何?


お山する。お山してこそ稲荷参り。.jpg 

お山する。お山してこそ稲荷参り。



決して狐だけではありません。この生き物もともてとても重要なんですよ。.jpg
 


決して狐だけではありません。
この生き物もともてとても重要なんですよ。


石を依代とする神々。さて……。とても面白い話が聞けますよ。.jpg


石を依代とする神々。さて……。
とても面白い話が聞けますよ。

お塚 増え続ける神さまたち。なぜ? どんな神が増えているのでしょう。.jpg

お塚 増え続ける神さまたち。なぜ? 
一体どんな神が増えているのでしょう。



会場 


原則として職員会館かもがわ中京区土手町通夷川上ル末丸284
               TEL075-256-1307 

市バス「河原町丸太町」徒歩五分 京阪電鉄「神宮丸太町」駅徒歩五分)
および北文化会館(北大路タウン内)を使用いたします。



 

ご参加費(座学)


各回お一人3000です。

お申し込みの場合、4回分一括ご入金の方は、合計10000に割引させて頂きます。

各回ごとのお振込みか、各期ご参加回一括でのお振込みかどちらかをご選択下さい。

各回振込の方は、レジュメ作成の都合上、開催日の一週間前までにご入金下さい。


 

申し込み要領


事務局あて住所、氏名、電話番号ならびに必要事項をご明記のうえ、
FAXもしくはメールにてお申し込みください。(ホームページからもお申し込みいただけます)

すでに清遊の会にご参加の方は、お名前とお電話、FAX番号のみご明記下さい。

   お申し込みの後、参加費をご入金下さい。恐れ入りますが、振り込み手数料はご負担下さい。

   ご入金確認後、事務局より参加証を送付致します。講義当日にご持参、ご提示下さい。


 

○お振込先 
 ・みずほ銀行 出町(でまち)支店(587)  普通 1161285   名義
 京都 清遊の会


  ・京都銀行 紫野支店(162)  普通 3236638  名義  京都清遊の会 代表西山祐子

京都・清遊の会 事務局   

6038341 京都市北区小松原北町13530108

TEL&FAX 075-465-9096    
                          e-mail:
info@kyo-seiyu.net 

                       URL: http://www.kyo-seiyu.net



一乗寺界隈散策 ご報告

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新緑の清々しい時候となりました。

5
18日、23日の両日、堤講師の案内による一乗寺界隈散策をいたしました。
そのもようをごらんください。両日とも晴天に恵まれ、爽やかな一日となりました。


初めに西本願寺北山別院を訪ねました。

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親鸞聖人の由緒を示す別院です。

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この鐘がこんないわれを持っていたなんて、まったく知りませんでした。驚き! 
最後にみんなで聞いた音色、忘れられません。

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御聖水 扉を開けて中を。とてもきれいな水に感動しました。

そういえばこのお寺の山号は聖水山……。 傍らの影向石にも
注目です。


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次の訪問地は金福寺。俳句愛好者の聖地で、幕末の貴重な遺跡でもあります。

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蕪村らによって建てられた芭蕉庵の由来が熱く語られます。

まるでその場にいたかのような白熱ぶり……(笑)

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どんな小さな遺跡にも詳しい説明が加えられます。

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本堂前の庭園。決して広くはありませんが、心洗われる清々しさです。

もうすぐ桔梗の花が咲いてお庭の景色に紫を添えます。


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さて金福寺を出て…どこに連れて行かれるのかと不安なままに…。

まさに清遊の会ならではの現地案内。


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舞楽寺跡碑です。張り巡らされたスサノオバリア。驚天動地の解説です。

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八大神社一の鳥居前にて。いつも前は通っていたのですが……。

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八大神社本殿。今回の現地案内のクライマックスがここ。

比叡山麓七里の歴史と秘密が明かされました。


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かつて本殿よりも大事にされた皇大神宮。その謂れは? 興味が尽きません。


いよいよ圓光寺へ─

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座敷から庭を眺めて。
建具を通して見る庭。

建物と庭園は不即不離、とても深い関係なんですね。


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禅堂 禅の話になると熱が入る講師。きっとなにか痛い思い出があるんでしょうね(笑)

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円光寺高台の家康墓。

このお寺にとっての家康の位置がわかります。山懐に抱かれた雰囲気充分の墓域です。

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市街を一望する好景が広がる、ここまで上がって来てこそ味わえるご褒美でした。


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案内の締めくくりはここ一乗寺跡でした。一乗寺界隈を選んだ今回のツアーを終えるにふさわしい場所。

あっという間に夕方。影も長くなっていました。

まさかまさかこんな一乗寺案内になるなんて!

いまさらながら京都
の遺蹟と歴史のつながりを堪能した一日でした。

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                   圓光寺庭園にて 











6月の予定

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6月9日(日)  魅惑の京都 「伏見稲荷大社」       講師 堤 勇二

          午後130分~  於 職員会館かもがわ        三千円


         (河原町丸太町下ル二筋め東入ル。石長松菊園向かい。
          京阪電鉄「丸太町駅より徒歩5分 TEL0752561307


6月23日(日)  
東京堤塾 魅惑の京都  「八坂神社」  講師 堤 勇二

           午後130分~  於 江戸東京博物館 会議室   三千円



お申し込みは右上のお申込みフォーム、またはファクス、メールで受付いたしております。尚、
レジュメの都合上、1週間前までにお申込みください。(前金、振込制)


みなさまのお越しをお待ちしております。

   

        京都・清遊の会 事務局
        〒603-8341 京都市北区小松原北町13530108
             TEL&FAX 075-465-9096  
             e-mail: info@kyo-seiyu.net









清遊ブログ  爽やかな野点茶会  わざ永々棟にて 

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梅雨の候となりましたが、今年はなかなか雨が降りませんね。
一年ぶりに「平野の家 わざ永々棟」のお茶会にうかがいました。

準備中?.JPG

昨年同様、知慮里庵(ちろりあん)社中の懸釜、今日は野点茶会です。

手入れの行き届いたアプローチを通り、待合へ。

待合床1.JPG


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床 光悦色紙
  「むかしおもふ くさの庵のよるの雨に 涙なそへそ 山郭公」

    詠み人 藤原俊成

待合花.JPG  


花入は矢鱈籠(やたらかご)。

花は笹百合、泡盛升麻(あわもりしょうま)、そして京都御苑、厳島神社の
箱根空木(はこねうつぎ)。
この花は白からだんだんと濃いピンク色になってゆくそうで、白とピンクの
二種が入れてあります。清楚な花ですね。


連客の方々に挨拶し、涼しげな露草の絵の汲出し茶碗でお水をいただき喉を
潤し、いよいよ席入りです。


露地草履をはいてお庭へ案内されます。


どんなお席でしょう?

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お庭へ.JPG 


細い露地からお庭へ出ると、畳が敷きつめられ朱傘をさして、野点の茶席にしつらえてあります!


ご亭主が挨拶に出られ、お点前が始まりました。

亭主挨拶.JPG

お菓子が運ばれて。

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菓子器はドイツ製カットガラス。

横には虫籠炭斗が煙草盆に見立てられ涼しげに。

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京の夏のお菓子らしく葛焼(くずやき)です。
銘をお聞きしましたら、「青田」とつけられた由。

社中の方が自庭の桜で削られた茶杓 銘「早乙女」にも掛けられてのお菓子とお聞きしました。

伏見稲荷大社の田植祭では神楽女が御田舞(おたまい)を舞い、早乙女たちが早苗を植えるのですね。

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銘青田.JPG

ガラスの器に盛られた葛焼はまた格別の味です。千本玉寿軒製でした。


今日のお点前は茶箱で、「卯の花点前」という夏の頃のお点前。

茶箱は裏千家十一代玄々斎好みの桑木地。仕組まれたお道具で点前が進められます。

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棗もお茶碗も小ぶりで可愛らしく、またそれらを優しく扱いお点前される様子に見入ってしまいました。

そうそう、この金平糖の入った振出し(ふりだし)も茶箱のお道具です。

振出.JPG

金平糖.JPG 



刷毛目茶碗や木地の茶箱が清々しさを演出しています。

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こちらは帆掛け船の絵のお茶碗。

帆掛け船茶碗.JPG

お茶は「風清(ふうせい)の白」(松風園詰)。

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二度ほど雨がぱらつき、そのたびに社中の方から傘をさしかけていただいたり、お客方どうし仲良く相合傘に入られたり。それがまた楽しい趣向で、ぱらつくごとに、傘、傘と騒いで社中の傘係さん(?)が傘を手に出てきてくださり、賑やかな席となりました(笑)。


広間.JPG 


野点席が終わると、広間に通され、虫養いをいただきました。

床 「清風千里夢」の掛物。花入は宗全籠。

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お花を教えていただきましたので掲げます。
石斛(せっこく)、小葉髄菜(こばのずいな)、山紫陽花、七段花(しちだんか)、河原撫子。いずれ可憐な花ばかり。



香合はなんとしゃれた意匠の蛇の目傘でした!

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その日、雨は時折ぱらつきましたが、午後からは晴れのお天気となりました。

野点の朱傘に、お客方の相合傘、そして広間の蛇の目傘香合…傘もたくさん出番があって喜んでいたのでは?(笑)

次席.JPG 


この時季の野点茶会。天候も気まぐれです。
備え怠りなく一会を催すのは大変なご苦労でしょう。

おおらかで懐の深い知慮里庵の茶会。

今日も「わざ永々棟」には爽やかな風が吹いているようでした。

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7月の予定

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7月6日(土)   和菓子講座 「京の夏 祇園祭とゆかりの和菓子」   
                                      講師 中川祐子

     午前10時~1140分  於 職員会館かもがわ    2千円(菓子代込)

          (河原町丸太町下ル二筋東入ル。石長松菊園向かい。

           京阪電鉄「丸太町駅より徒歩5分 TEL0752561307
 

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        「浜土産(はまづと)」                   「したたり」              



祇園祭山鉾案内 
─後祭の山鉾を中心に─   講師 堤 勇二

  7月15日(月・祝)  午後130分~   (集合  115分 御池通烏丸南西角) 
   
           (15日は締切らせていただきました)


  7月16日(火)    午前1030分~   (集合 1015分  同上)

     2千円(各日定員20名)

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                    黒主山

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                    浄妙山

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                     鯉山



7月28日(日)  東京堤塾 魅惑の京都  「五山の送り火」  講師 堤 勇二

   午後130分~  品川区総合区民会館 きゅりあん 第2講習室   三千円



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大文字山 カナワ 謎を解く鍵はここにありそうです。


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大文字山 カナワ前の中央火床


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五山送り火 鳥居形 どこの、なんの鳥居ですか?


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花背 松上げ ここにも京の大事な送り火行事があります。




お申し込みは右上のお申込みフォーム、またはファクス、メールで受付いたしております。

座学はレジュメの都合上、1週間前までにお申込みくださいますようお願いいたします。


みなさまのお越しをお待ちしております。

  

        京都・清遊の会 事務局
       〒603-8341 京都市北区小松原北町13530108
           TEL&FAX 075-465-9096  
           e-mail: info@kyo-seiyu.net






京の夏 祇園祭とゆかりの和菓子 講座 報告

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京都特有の蒸し暑さが体にまとわりつく梅雨の七月六日、

七夕を前にしたこの日、その暑気と湿気を吹き飛ばすような、

京都・清遊の会の恒例「和菓子講座」が行なわれました。

今回のテーマは「京の夏 祇園祭とゆかりの和菓子」

講師は会の主催者・中川祐子さん。

祇園祭にふさわしく浴衣姿で。

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最初に画面に登場したのは「京のよすが」

「四畳半」の異名を持つ亀末広の銘菓です。

祇園祭の季節には神社の神紋をまとった団扇が。

季節感満載の京のお菓子ですね。

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さて、今日のテーマは八坂神社界隈の老舗和菓子屋さん。

たくさんのお菓子屋さんの中から選ばれたのは

ほとんどの人がご存じなかったこの店

「鍵甚良房」さん

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 鍵甚良房 外観


紹介されたお菓子は

鉾餅(ほこもち) 今日の主役です!

P1200715.JPG 長刀鉾1.JPG

 


紅がさされた味噌餡をクレープ生地で包み、

祇園さんの神紋が焼印されています。

形は鉾の網隠し。

なんとも見事で、祇園祭の風情満点のお菓子です。

しかも、その味のなんと美味しかったこと!!

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 三個並べると、稚児と禿、に見えます?

さらに講師の買い物秘話と京の和菓子屋談義が実に面白く

まるで自分が買いに行ってるような錯覚を覚えました。


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  鍵甚良房 店内


次のお店はこの店

「甘泉堂」さん。


ご存じ、水羊羹や「とりどり最中」で有名ですね。

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  甘泉堂 外観 通常の営業中です。

この店は、いろいろと乗り越えなければならない関門があるのですが(笑)


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  これも営業中なんです!


臨場感溢れる講師の話は抱腹絶倒! 
実体験者ならでは、です。



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 甘泉堂の水羊羹(左)ととりどり最中(右)


そしてここで紹介されたのはなんと!

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 お菓子で作られた舞妓の花簪!!


どっちが本物かわかりますか?

花簪 十一月 かえで.jpg 菓子博 かんざし2.jpg

   

向かって左が本物、右がお菓子です!

この工芸菓子はお店では見ることはできません)


京都の和菓子屋さんの技術の高さと底力を思い知らされました。


次はこのお店。

「豆平糖」で有名な「するがや祇園下里」さん

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  するがや祇園下里 看板


なかなか一度ではたどり着けないお店ですが

中川講師がとてもお好きなお菓子がこの豆平糖なのですって!



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 するがや祇園下里の銘菓 豆平糖 


た、確かに美味しい。

美味し過ぎる……

京都の老舗の味、おそるべし。


ところで、

このお店の近くにある有名なお稲荷さん

みなさんご存じですね。

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  辰巳稲荷さん


ですが、この近くにあるこのお稲荷さん、

知ってますか?

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  観亀稲荷さん


知る人ぞ知る稲荷社ですが、過日、ここである展観が行なわれました。

その時紹介されたのが、「祇園の練物(ねりもの)」

その昔、中御座の神輿を鴨川の水で清める「神輿洗い」の日、

神輿を待つ「お迎え提灯」に際して、南座の役者や花街の芸舞妓が

思い思いに扮装してお迎えし、本宮まで参拝にお練を行なったのが祇園のお練り。

昭和35年を最後に行なわれていないのですが、

その時の衣装が見つかったのです。


そんな行事があったのですね。

まだまだ知らない祇園祭の秘密。


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  講座風景と「祇園練物番付」の資料画像


さて、祇園祭の和菓子といえばこれ

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そう。亀廣永さんの「したたり」です。

菊水鉾の菊水茶会で供される超有名な棹物ですが

このお菓子は、いまのご主人が考案されたもの。

それほど古くはなかったんですね。

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 亀廣永 外観とご主人

人のよさがお顔にでたご主人。

お店の暖簾も亀、壁掛け時計も亀。

誰ですか? ご主人も、なんて言うのは(笑)


中川講師の話は、何度も何度もそのお店に行き

粘りと笑顔で食い下がり(笑)

最後にはまるで昔からの友達のように

明かされない秘話まで聞き出してしまうという

京都を知り尽くした抜群の取材力に基づくものばかり。

その証拠に紹介されたお店の人たちはみな笑顔で写っていました。


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  身振り手振りで大熱演の講師


言いたいことだけ言って帰る講師が多い中

聞きたいことを教えてくれる中川さん。

きっとこれからファンがどんどん増えますね。

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  笑顔が魅力の中川さん



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  亀屋則克の浜土産(左) 神紋入りくず焼(右)


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  大極殿本舗の吉兆あゆ


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  柏屋光貞の行者餅

他にもとてもとても面白い話や美味しいお店、

お菓子が披露されたのですが

全部は明かさないでおきましょう。


どれもがまた聞きたい、

そう思わせるお話の連続でした。

これからも

季節とのつながり、行事との関係、

日本人の生活に密着した和菓子やお花、また意匠など

中川講師でなければ話せないテーマを

これまた独自の視点で紹介していただけることでしょう。


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あっという間の一時間半。

今後もとてもとても楽しみです。

最後に一つ。

実は、今回紹介されたお菓子、

鉾餅も豆平糖もしたたりも

すべて実際にいただくことができました。


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普段は前でしゃべっているある人がもてなしたみたいですが

どのお菓子も、出されるタイミングが微妙にずれていて

どれもが早すぎるやら、早すぎるやら、早すぎるやら!


ご参加の皆様、申し訳ありませんでした(涙、涙)

                                Y.T記

講座予定のお知らせ

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暑中お見舞い申し上げます。

 連日、猛暑の日が続いておりますが、皆さまにはおかわりございませんでしょうか。

 京都・清遊の会 8月の講座はお休みさせていただき、9月より再開させていただきます。


 
皆さまにはくれぐれもご自愛くださいますよう、
 

 
9月の講座でお目にかかれますのを楽しみにしております。



9月22日(日)
  
魅惑の京都(京都開催)  「泉涌寺」       講師 堤 勇二

     午後1時30分~  於 職員会館かもがわ       三千円
           
 
 

            (河原町丸太町下ル二筋東入ル。石長松菊園向かい。

             京阪電鉄「丸太町駅より徒歩5分 TEL0752561307


 
9月29日(日)  東京堤塾 魅惑の京都  
            

            「時代祭の秘密
─知らないと損する祭の見方─」 

                                            講師 堤 勇二


     午後1時30分~  於 江戸東京博物館   三千円


       (※9月に予定しておりました現地案内は延期させていただきます。)


お申し込みは右上のお申込みフォーム、またはファクス、メールで受付いたしております。


レジュメの都合上、1週間前までにお申込みくださいますようお願いいたします。

みなさまのお越しをお待ちしております。

 

          京都・清遊の会 事務局

         〒603-8341 京都市北区小松原北町13530108
              TEL&FAX 075-465-9096  
              e-mail: info@kyo-seiyu.net





清遊ブログ  夏を送る 松ヶ崎 題目踊り

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ことしの夏はことのほか猛暑続きですが、皆様にはいかがお過ごしでしょうか。

大文字送り火の16日、左京区松ヶ崎の涌泉寺(ゆうせんじ)を訪ねました。

地下鉄「松ヶ崎」駅から東に向かい北山通りを北へ。
旧道を越えて松ヶ崎小学校脇の道を登りますと、涌泉寺の山門が見えてきます。

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お盆の15日と16日、ここで「題目踊り」と「さし踊り」が行われます。

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松ヶ崎のこの辺りには鎌倉時代、比叡山三千坊のひとつ、歓喜寺という寺がありました。

永仁二年(1294)、日蓮上人の孫弟子・日像(にちぞう)が寺を訪れ、法華経の説法を行ったところ、住職の実眼和尚が説法に感激し、和尚以下、全村民が日蓮宗に宗旨替え、寺の名前も「妙泉寺」と改められたのだそうです。

現在の涌泉寺は、この妙泉寺と、近くにあった本涌寺とを引き継ぎ、松ヶ崎一帯の人々の信仰を集めてきた寺。

お盆に行われる「題目踊り」は、このとき村民が法華改宗を喜び、題目を唱え踊ったことから始まったと伝えられています。


本涌寺で行われていた題目踊り.jpg 本涌寺で行われていた題目踊り


 山門脇には、「法華宗根本学室」などの石碑があり、寺の前身であった本涌寺が、京都六檀林の一つ「松ヶ崎檀林」であったことを示しています。檀林は日蓮宗の学問所のことです。

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その学問所の建物は、現在、本堂として使われています。

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日が暮れて、午後
8時すぎ、松ヶ崎地区では「妙」「法」の送り火が灯りました。

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今年は「法」の近くで見ましたので、こんなふうに写りました(笑)

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送り火が消えたあと、時間を見計らい涌泉寺へ。


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がらんとして静かだった昼間の境内とはうって変わって、提灯に灯が燈り太鼓が設えられ、揃いの浴衣を着た人達が準備をされています。

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松ヶ崎立正会の方々が送り火の点火を担い、後片付けのあと山を降り、浴衣に着替えてこの「題目踊り」を踊るのだそうです。

見物の人は本堂に上がったり、周囲で遠巻きにして待っておられます。

準備がととのい、いよいよ始まりました。

太鼓の両側に、男性組と女性組が距離をおいて向かい合って立ち、太鼓とともにお題目を掛け合い唄われます。

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「南無妙法蓮華経…」

優雅でありながら、どこか哀調を帯びた節回し。聞いているうち一緒に口ずさんでしまうようなゆったりとしたテンポ。

女性方に近いほうにいましたので、唄がよく聞こえ心地良さに引きこまれました。

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踊りは、調子に合わせて膝の上で扇を裏に表に打ち返し踊ります。

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題目踊りは、盆踊りの原形とも、また一方で「見る」というより「聞く」盆踊りとも言われるそうです。

ですが、ご覧ください。


皆さんの浴衣姿の美しいこと!

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前見頃は「松ヶ崎」からでしょうか、松の意匠。

後ろ上半身は「妙法」の送り火を忠実に描いて、裾は斜めに松林と「すやり霞」のようなデザインになっています。

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鄙びた盆踊りとばかり思っていましたのに、洒落た揃いの浴衣で踊っているのですね!

女性は三幅前垂れに、踊り手は茜襷を掛け、草履の鼻緒も朱色です。

紺と白の浴衣に朱が映えます。

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踊りにあわせて浴衣の模様は表情をつくり、「妙法」と書かれた扇をうち返すとき、扇の水色がちらちらと揺らめきます。

地味な動きの踊りは浴衣と扇によって洗練された美しさを醸し出していました。

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境内全体、踊りの輪と見る人の調和とでもいいましょうか、不思議な一体感…
小さな子達も輪の中にいて一生懸命踊っています。

いま踊っている方々の踊りは信仰の歴史を忘れないためと、そしてやはり先祖を送る踊りなのでしょう。受け継がれてきたものを伝え続ける人々の誇りも伝わってきます。

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「像師報恩」の提灯。
そして中心にある大きな提灯には「後水尾天皇」の文字。
松ヶ崎の題目踊りは、かつて後水尾上皇の台覧に供したと伝わるものです。

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時間はあっという間に経ち、気がつくと、「題目踊り」から誰もが参加できる「さし踊り」に変わっていました。

大きな掛け声もなく、派手なパフォーマンスもなく、息がぴったりにすっと始まって、静かに終わる素朴な踊り。

松ヶ崎の題目踊りはしみじみとして心に残り、この夏に出かけたいくつかの行事、あれもこれもと思ううち、やはりこの踊りをお伝えしたいと思いました。

まだ暑さは残るけれども地蔵盆が過ぎれば秋の気配。

そろそろと行く夏を送るときが来たようです。


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10月の予定

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1019日(土)  午後130分~

  ●魅惑の京都(京都開催)  「京都の日蓮宗寺院Ⅰ 三具足山を中心に」       

                                      講師 堤 勇二

      於 職員会館かもがわ(河原町丸太町下ル二筋東入ル。石長松菊園向かい。
              京阪電鉄「丸太町駅より徒歩5分 TEL0752561307

            
                                              (三千円)



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27日(日)  午前10時~1230分    

  ●東京堤塾 特別講座  「皇室との意外な関係? 伊勢神宮の秘密」

      於 きゅりあん(品川区総合区民会館)        講師 堤 勇二

                                            (二千五百円)


10
27日(日)  午後130分~430分                       

  ●東京堤塾 魅惑の京都  「日本文化の精華 京都御所の魅力」 

      於 きゅりあん(品川区総合区民会館)       講師 堤 勇二

                                             (三千円)
   

 



お申し込みは右上のお申込みフォーム、またはファクス、メールで受付いたしております。


レジュメの都合上、1週間前までにお申込みくださいますようお願いいたします。

みなさまのお越しをお待ちしております。

             京都・清遊の会 事務局
        〒603-8341 京都市北区小松原北町13530108
            TEL&FAX 075-465-9096  e-mail: info@kyo-seiyu.net





魅惑の京都 東京講座 第2クール

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京都・清遊の会主催 東京開催

魅惑の京都 第2クールご案内                    



いつも京都・清遊の会にお越しいただき、ありがとうございます。

東京講座の第2クールは下記の予定で開催します。


 皇室、大社、巨刹……いずれ劣らぬ圧巻のラインナップです。


 お茶に秦氏に天神さんに浄土念仏……。難しいですか(笑)?

 いえいえ、知れば知るほど見えてくるものがあります。

 それが京都の厚み、深み。

 他では決して知ることができない、
 
超ど級の京都の魅力満載の講座です。


魅惑の京都講座 東京開催 日程  

●時間は午後130分~430分予定


1回 1027日(日)  きゅりあん (終了しました!)  

日本文化の精華 魅力の京都御所

御所建礼門.JPG 

       京都御所・建礼門と紫宸殿大屋根

 

2回 1124日(日)  江戸東京博物館  

茶禅一味の聖地・大徳寺と小徳寺?

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二重額の意味は? 大徳寺三門



3回 1223日(月祝) 江戸東京博物館  
巨刹・知恩院 浄土信仰の総本山

知恩院 法然画像.jpg この方の恩を知る寺 知恩院 法然像



4回  126日(日)  江戸東京博物館
稲荷信仰と伏見稲荷大社 秦氏の神とは?


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くわえているのは何? 伏見稲荷大社楼門



5回  223日(日)  きゅりあん  

左遷された神? 北野天満宮の真実

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北野天満宮楼門 はてこの門はどこの門?


6回  323日(日)  きゅりあん  

世界遺産って何? 東本願寺の圧巻!

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この門の扁額、ご存じ? 東本願寺御影堂門         



受講料 

各回お一人3000円  

全回一括お振込みの場合、総額18000円を15000円に割引いたします。

各回ごとのお振込みでも一括のお振込みでも、振込手数料は恐縮ですがご負担ください。



お申込み要領

ファックス、メールまたはこのホームページからお申し込み下さい。

お申込み頂いた方には、ご入金確認後、事務局より参加証を送付いたします。

講義当日にご持参、ご提示ください。ご不明な点は下記事務局までお問い合わせください。

お振込先 みずほ銀行 出町(でまち)支店(587)  普通 1161285   
         名義  京都 清遊の会


申し込み〆切

お申し込みは随時受け付けております。
ただしレジュメ作成の都合上、事前申込制とさせていただきますので、
ご参加回の一週間前までにお申し込み下さい。

京都・清遊の会 事務局   

603-8341  京都市北区小松原北町13530108
TEL&FAX 075-465-9096  
e-mail: info@kyo-seiyu.net  
URL: http://www.kyo-seiyu.net

 



清遊ブログ    亥の月、亥の日に

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11月に入り、いよいよ秋も深まってきました。

京の北郊、鷹峯・源光庵では薄や色づき始めた紅葉がやわらかな景色を見せています。

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さて和菓子好きにとっては
11月といえば「亥の子餅」。

先日、二条通り寺町東入の京料理「二條 ふじ田」に出かけ、美味しいお料理の最後に出されたのが今年初めての「亥の子餅」でした。

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ほかには光琳菊の薯蕷饅頭と可憐な桔梗をあらわした外郎製。

秋の到来を感じさせる和菓子です。

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             (いずれも二條若狭屋製)


亥の子餅はほかにくらべて地味なお菓子ですが、じつは京都ではこの時季のたいせつなお菓子です。


平安時代に遡りますが、陰暦10月の亥の日、禁裏では御玄猪(おげんちょ)の儀式が行われていました。
御玄猪の式は、10(亥の月)の亥の日に行われ、無病息災と、猪の多産にあやかり子孫繁栄を祈ったもので、天皇から官人に餅を賜わる行事でした。

餅は、赤、黒、白の三色で、官位によって餅の色や数が決められ、紙に包み、初めの亥の日には菊の葉を、中の亥の日には紅葉の葉を、下の亥の日には銀杏の葉を添え包んで下賜されたといいます。

玄猪包香合.JPG 

玄猪包香合 中村帆蓬画 
江戸時代の陶工で優れた芸術家でもあった仁清が
玄猪包の意匠を香合に見立てたもの。



餅は、大豆・小豆・大角豆
(ささげ)・胡麻・栗・柿・糖(水あめ)の7種の粉で作ったといわれ、現在、玄猪の餅に由来する亥の子餅は京の和菓子屋ではそれぞれに中身を工夫して作られています。


11
1日、京都御所の西向かいにある護王神社では亥子祭が営まれ、亥の子餅を舂(つ)く神事が古式にのっとり行われます。

亥の子祭3.JPG 護王神社亥の子祭 御舂(おつき)の儀

亥の子祭 (2).JPG 御玄猪調貢の儀 御所の清所門にむかう。


護王神社では狛犬のかわりに狛いのししが相対しているのをご存じの方も多いでしょう。

護王神社.JPG

護王神社狛いのしし1.JPG 護王神社狛いのしし2.JPG


護王神社は和気清麻呂(わけのきよまろ)と姉の和気広虫(ひろむし)がお祀りされていますが、ちょっと由緒をひもといてみましょう。

奈良時代末、称徳天皇は弓削道鏡(ゆげのどうきょう)という僧に信頼を寄せ、天皇の位を譲ろうとされました。そして宇佐八幡宮のご神託を受けに清麻呂をお遣わしになりました。
しかし清麻呂は、皇位には皇族をあてるべしとの神託を上奏したのです。
道鏡の野望から皇統を守護した清麻呂はそのため道鏡の怒りにふれ、穢麻呂
(きたなまろ)と名を変えられ、足の腱を切られ大隅国(鹿児島県)に流罪となりました。
大隅に向かう途中、宇佐八幡に立ち寄ろうとすると、どこからか現れた三百頭のイノシシが清麻呂の輿を守り、宇佐へ清麻呂を無事に送りとどけました。
そして宇佐に着いた時には清麻呂の足も平癒していました。この故事にちなみ猪が神使となったといわれています。


和気清麻呂はのちに復権し、桓武天皇のもと平安京の造営大夫となって活躍しました。

清麻呂の御廟は高雄の神護寺にありますが、明治になって御所の西の現在の地に護王神社として遷座されました。

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           神護寺の和気清麻呂公廟所


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護王神社の清麻呂像



また洛西の愛宕山に鎮座する愛宕神社も猪を神使としています。


社殿や鳥居に彫り物が見られ、神仏習合時代には勝軍地蔵と摩利支天をお祀りしていました。

摩利支天は日月の光を神格化したもので、天女の姿で足元に猪を踏んでいることから神使となったとされます。

摩利支天.jpg 

摩利支天 一切の災難を除き、身を隠す術を得ると信じられ、
武士の守護神としても崇められられた。



11
月亥の日に行われる例祭では火難除けと子女の良縁があるよう祈り、家では萩の餅を配り、炬燵(こたつ)開きを行ったといいます。この日に炬燵を開けると火難を免れるのだそうです。

愛宕さんの「火迺要慎」(ひのようじん)の祠符は京都のどこの家にも台所などに貼って火難除けとされ、京都で火伏せの神様といえば愛宕さんということになります。

また萩は樒(しきみ)とともに愛宕山の名物とされ、「萩に猪」は愛宕さんにとって欠かせないものでありました。

「獅子に牡丹」と同様に「萩に猪」は今では花札に見られるくらいではないでしょうか。

摩利支天は禅宗や日蓮宗の寺院にも勧請されています。

東山建仁寺の禅居庵、西陣の本法寺には摩利支天堂がありますね。ほかにももっとあるでしょう。



堀川寺ノ内の本法寺は静かな佇まいの寺院ですが、近辺にも宝鏡寺や表千家、裏千家などの茶家があり、しっとりした雰囲気を味わえるところです。


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                       本法寺 楼門

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本法寺境内 
現在本堂修理中のためお庭は見学できませんが、多宝塔建築や開山堂、
本阿弥光悦手植えの松、長谷川等伯像などを見ながら散策を楽しめます。いいところです!

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         本法寺の摩利支天堂と堂前の狛いのしし



本法寺を出るとお向かいは裏千家。軽快な屋根の兜門が見えています。

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                 裏千家今日庵

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                 表千家不審庵

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本法寺の向かいは裏千家、そして表千家があり、内弟子さんや着物姿の女性などお茶にかかわる人たちが行きかいます。
近辺には職家、茶道具屋、和菓子屋、和傘や和装の店などがあり、京都らしさが感じられる場所でもあります。


11
月は茶家では風炉をしまい、炉を開く炉開きの時季となります。

また春に新茶を詰めて保管しておいた茶壺の封を開ける「口切」(くちきり)にあたり、口切や炉開きの茶事、茶会が行われます。茶の湯の世界ではまさにお正月ともいえる行事です。

この口切や炉開きの茶によく出されるのが亥の子餅。

茶の湯にことよせて千家の近くにあります茶道具店、平松栄祥堂で猪にちなんだお道具を見せていただきました。

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          安南写 猪香合 久世久宝作

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        膳所焼 猪の画茶碗 岩崎新定作


お茶碗のなかでいのししが駆けているようですね。

栗の絵のお茶碗でお茶をいただき…。

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紅葉のお茶碗も拝見し─

こんな錦繍の景色ももうすぐですね!

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              仁清写 永楽即全造



さてさて、亥の日には建仁寺の塔頭、禅居庵にお参りしました。

何を隠そう、じつは亥歳生まれなのです。

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禅居庵摩利支天堂.JPG
               摩利支天堂

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参道には山茶花がたくさん咲いていました。 


お参りのあと、近くの鍵甚良房へ。

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これが今日の眼目??(笑) 鍵甚の亥の子餅。

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まるで瓜坊の背のようなお餅のなかにはなんと柿、栗、銀杏が入っています!

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亥の子餅には肉桂が入っていることが多いのですが、肉桂の香りはなく、胡麻の風味とあっさりしたこし餡が中身を引き立てていました。一風変わった亥の子餅ですが秋の木の実が現代風です。


亥の日に亥の子餅をいただき、今日の取材は終了となりました。


美味しいものをいただける幸せ。そしてこんな楽しい町歩きができる幸せ。

秋の空気をいっぱいに吸って、快復した足で、また京の町を元気に歩ける喜びをかみしめた一日でした。

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現地案内のお知らせ

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「下鴨神社界隈」現地案内

秋も深まり紅葉の頃となりました。


下鴨神社や界隈を、堤講師の案内で散策してみませんか?

歴史の深みにはまることうけ合いです!!


開催日
(平日)1128(木) 雨天時29(金)
(休日)   30(土) 雨天時12月1日(日)

時間

 1320 京阪電車・出町柳駅集合
 1330より 出町界隈・下鴨神社案内
 (途中、糺の森「さるや」で休憩しますが、「申餅」等飲食費は実費でお願いします)
 1600 終了予定(京都市バス「下鴨神社前」解散)

参加費
 お一人2500円(下鴨神社大炊殿拝観料500円含む)

内容 下鴨神社境内と…他は内緒 (驚いて下さい!)

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                         下鴨神社 楼門

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                         糺の森 

   
                                   

                      
※お申込みは、参加者名、希望日、電話
(当日の連絡先)を明記の上、

  ファクスあるいはメールでお願いいたします。(事前振込制)

  京都・清遊の会事務局   TEL&FAX 075-465-9096
                      e-mail:info@kyo-seiyu.net  


11月の予定

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1128日(木)、 30日(土)     

   ●下鴨神社界隈 現地案内 (詳細は現地案内のページをご覧ください)

        集合 午後120分  京阪電車「出町柳」駅       


                         案内 堤 勇二

                (参加費二千円、大炊殿拝観料五百円) 


11
24日(日)  午後130分~430分                       


    ●東京堤塾 魅惑の京都                                  

       「茶禅一味の聖地 大徳寺 小徳寺?」 

             於 江戸東京博物館    講師 堤 勇二

                                                               (三千円)       



一休画像 鬼気迫る凄みです.JPG


                       一休画像 鬼気迫る凄みです。



山門 利休像 この像が始まり.jpg 


山門 利休像 この像が始まり。



大徳寺 金毛閣の二重額.JPG 

                大徳寺 金毛閣の二重額。



大徳寺僧堂 龍翔寺山門 街中道場の有り方と篤志家の足跡を偲びます.JPG


大徳寺僧堂 龍翔寺山門 街中道場の有り方と篤志家の足跡を偲びます。


大徳寺練塀 金の字が意味するもの.JPG


      大徳寺練塀 金の字が意味するもの。


別格の寺 徳禅寺 寺号をもつ唯一の塔頭.JPG


別格の寺 徳禅寺 寺号をもつ唯一の塔頭。




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          芳春院 呑湖閣 京の四閣とか。


聚光院 衣鉢の間 狩野松栄の人にしか見えない猿.JPG


聚光院 衣鉢の間 狩野松栄の人にしか見えない猿。


聚光院 利休供養塔 茶禅一味とはなんでしょう.JPG


聚光院 利休供養塔 茶禅一味とはなんでしょう。

 

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源氏物語 絵画展のお知らせ

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 中村帆蓬さんの

 古典を楽しむ 「源氏物語」 挿絵展 Ⅵ 

            
          ─
若菜 から 幻 ─ 

     
         11
26(火)~ 121() 11時~6時(最終日5時まで)

      於 ぱるあーと (京都市上京区西洞院通丸太町一筋上ル)



錦秋の頃となりました。

中村帆蓬(はんほう)さん「源氏物語」挿絵展が催されます。

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古典絵画を品格あるタッチで描く中村さんの画、もうおなじみですね!


今回のPART は、「若菜(わかな)上 ~ 幻(まぼろし)」(34帖~41帖)。

若菜上、若菜下、柏木、横笛、鈴虫、夕霧、御法、幻の巻。

王朝人の織りなす典雅な世界にも哀感ただよう場面が見え隠れしています。


ぜひともお誘い合わせの上お出かけください。


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 1128日午前11時より 
   中村さんによるストーリーと絵画の解説が行われます。
                  (資料代5百円要)
    
   ご希望の方は下記までお問い合わせください。

                
               
京都・清遊の会事務局  
                             Email: info@kyo-seiyu.net


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12月の予定

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京都講座 魅惑の京都

    12月7日(土)  午後1時30分~4時30分

   「茶禅一味の聖地 大徳寺 小徳寺?」  講師 堤 勇二

         於 職員会館かもがわ  二階 大会議室   (三千円) 


東京堤塾 魅惑の京都

   12月23日(月祝)  午後1時30分~4時30分  
                                    


   「巨刹・知恩院 浄土信仰の総本山」  講師 堤 勇二

         於 江戸東京博物館 第1・2会議室      (三千円)   

 


お申込みは右上のお申込みフォーム、またはFAX、メールで受付しております。


レジュメの都合上、1週間前までにお申込みくださいますようお願いいたします(前金制)。

みなさまのお越しをお待ちしております!

                       京都・清遊の会 事務局
              〒603-8341 京都市北区小松原北町13530108
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下鴨神社界隈 現地案内ご報告

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1128日と30日の両日、「下鴨神社界隈散策」を行いました。

紅葉も見ごろを迎えての散策、堤講師の案内はいつもながら驚きの連続(笑)となりました。


萩の名所、常林寺で。砂川の三寺院の歴史、萩の由来など聞きました。

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猿畠山法性寺(えんばくざんほっしょうじ) 屋根に向き合う猿の姿がみえるでしょうか?

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「はかり」や「そろばん」が鋳込まれた銅鐘。

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商人に崇敬された日蓮宗のゆかりを伝える鐘に見入りました!

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鴨川と高野川が出合う中洲にて。こんな場所でいったいどんな話…?


堤講師の詳しい説明に二本の松の木を見上げて「へー」と一同納得。

松竹撮影所の映画にまつわる話、水上勉の小説「出町の柳」の話もありました。

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「目玉の松ちゃん」こと尾上松之助の銅像前で。

さらに詳しい京都と映画の話、「出町柳」の由来について。

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いよいよ世界文化遺産「下鴨神社」へ。

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糺の森の紅葉はどうでしょうか? 
なんともいえず清々しい境内です。

もみじ橋。床紅葉ならぬ川紅葉。

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河合神社へ。 二つの鳥居、境内前の三井社、貴船神社、そして鴨長明の話。

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神宮寺址にて。 神仏習合、神仏分離の話を。

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赤橋(あけばし)と亀島。他では聞くことのできない話です!

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さるやで一服。ウニになった頭をほぐして!(笑)

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現大炊殿(おおいどの)、賀茂斎院跡にて。カモの神に仕える女性の話など。


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今でも神饌を調進されている大井炊殿前にて。蕃塀(ばんぺい)の話、神饌の話、そして人と神のかかわりについて熱く語られました。

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大炊殿内部。 神饌も展示されています。

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井上社のそば、タラヨウの木(葉書の木)の下で。 樹下(じゅげ)神事と女絵馬にまつわる話を。

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 舩ヶ島。まったく知らなかった秘密! 無社殿神地と下鴨神社最近の発掘成果についても。

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たっぷり3時間、でもあっという間の3時間でした!

ご参加の皆さんは積み重ねられたこの地の歴史の層に驚き、またカモの神様への畏敬の念を抱かれたのではないでしょうか。


晩秋の夕日が落ちる頃、糺の森をぬけ帰途に着きました。

今年の現地案内は終わりましたが、さて来年は堤講師、私たちをどこへ連れて行ってくれるのでしょう?

皆さま、どうぞお楽しみに!





 



 



 



 



 



 



 



 



1月の予定

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京都 午歳特別講座
  
 

  1月13日(月・祝)  午前10時~1145分   

   「新春の和菓子」  
講師 中川祐子

   「馬と京都」
  (謎の男!!)

       於 職員会館かもがわ  三階 大多目的室    

     (河原町丸太町下ル二筋東入ル。石長松菊園向かい。
      京阪電鉄「丸太町駅より徒歩5分 TEL0752561307

   午後1時45分~4時頃

    午歳祈願 藤森神社散歩  講師 堤 勇二
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       定員(25名)になり次第締め切らせていただきます。
 
 

 
                         (午前・午後 三千五百円)  


東京堤塾 魅惑の京都

  1月26日(日)  午後130分~430
   
          
   「稲荷信仰と伏見稲荷大社 秦氏の神とは?」  講師 堤 勇二

      於 江戸東京博物館  会議室     (三千円)   

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この方はどなた? 


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お山する。お山しないと語れません。


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木が包帯してる!? 
痛々しそうな木の根っこ。 大切にされてますね。


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くわえているのは何?


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単なる末社ではありませんよ。


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稲荷山最高峰 
ここに立ってこそわかるこの霊山の神威


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それぞれの手水口 このすべてに深い意味があります。
どこにあるかすべてご存じ?


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これを食べずに下山すると後悔しますよ(笑)
絶品の健康たまご!


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荷田春満のお墓
この方も、この墓地もとても重要。


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いかにも合格しそうですね。


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なにげなく並んだ三つのお社。
この場所がまたとても大事なんだなあ。

みなさんがご存じないお稲荷さんの秘密。
是非、是非、お楽しみにご参加下さい。
決して損はさせませんよ!





お申し込みは右上のお申込みフォーム、またはファクス、メールで受付いたしております。


レジュメの都合上、1週間前までにお申込みくださいますようお願いいたします。

みなさまのお越しをお待ちしております!

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