京都・清遊の会
今月の講座は「桜」がテーマ。
京を巡る桜のさまざま、
というより、
桜を巡る京のさまざま、
といったほうが相応しいでしょう。
単に京都の名所の桜を紹介するのではなく、
桜に込められた京の心をご紹介します。
桜に込められた京の心をご紹介します。
ところでこの紋はどこの紋?
そうですね。
京都の桜といえばここ。
京都の桜といえばここ。
しかしこの神社のご祭神は意外に知られていません。
今木大神、久度大神、古開大神、そして比売神
いったい誰のこと?
今木大神、久度大神、古開大神、そして比売神
いったい誰のこと?
実は本殿と同じく、いや、本殿以上に重要なのがここ。
本宮内に鎮座する天穂日命(アメノホヒノミコト)
を祀るとされる摂社・縣(あがた)神社です。
でも、祀られているのは本当にこの神様なのでしょうか。
何か面白そうですよ。
では、この紋はどこの紋?
はい、ここも桜で有名ですね。
仁和寺の寺紋でした。御室の桜
桜といえば、花も模様も実に多様。
多様といえば桜の意匠も実に見事です。
これは?
四天王寺に伝わる国宝の桜懸守。
実際に使われていた懸守(かけまもり)です。
日本人の感性ですね。
日本人の感性ですね。
この硯箱も。
花白河蒔絵といいます。
この貴族は何をしているのでしょう。
実はこの模様にも深い意味が隠れています。
では、ここはどこの階段?
高台寺御霊屋(おたまや)。
そう、世に名高い「高台寺蒔絵」ですよね。
そう、世に名高い「高台寺蒔絵」ですよね。
模様といえば歌舞伎の着物の柄。
江戸の歌舞伎の桜といえば……
江戸の歌舞伎の桜といえば……
火事と喧嘩は江戸の華といいますが……
江戸っ子の典型の助六と、金の亡者の意休に、
意気地の権化・揚巻の啖呵が絡み合い、
胸がすくとはこのこと。
江戸っ子の典型の助六と、金の亡者の意休に、
意気地の権化・揚巻の啖呵が絡み合い、
胸がすくとはこのこと。
そう、「助六由縁江戸桜」ですね。
これに限らず歌舞伎と桜はつきものです。
「義経千本桜」は言わずもがな。
(とは言うものの、本来は桜は出ませんがね)
「菅原伝授手習鑑」
「賀の祝」桜丸切腹の場面
着物の桜模様が目を惹きます。
でもこれだけじゃない。
桜丸の「伊達さがり」 桜の花が強烈です。
でも襦袢は外からは見えない。
「仮名手本忠臣蔵」でも重要なアイテム
風さそふ 花よりもなを 我はまた
春の名残を いかにとやせん
「京鹿子娘道成寺」の絢爛も圧巻。
白拍子・花子の衣装の数々
そうそう、これを忘れてはいけません。
「積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)」
の小町桜(薄墨桜)の精。
の小町桜(薄墨桜)の精。
雪の中、逢坂の関では、時知らずに小町桜が咲いている。
桜の傍では良岑宗貞(後の遍照僧正)が隠棲中。
そこに元カノの小野小町姫が通りかかり、
二人の仲を関守の関兵衛が取り持とうとする。
しかし、この男、何か怪しい……
実はこの男こそ、天下を狙う大伴黒主その人。
はて、この名前、どこかで聞いたような。
そう、この人。
祇園祭の黒主山ですね。
うーむ。なかなか今回も一筋縄ではいかなそう(笑)。
さて、江戸が芝居なら、京都は「をどり」
見るだけで心が華やぎますね。
これは昭和28年、第80回「都をどり」のポスター
堂本印象の筆です。
堂本印象の筆です。
ちなみに今年は?
これです。
お祭りと桜の関係も外せません。
たとえば、この祭り。
「やすらい祭」
疫神は桜とともに舞い散ります。
疫神は桜とともに舞い散ります。
この祭は京都三大奇祭の一つと……。
そんなに「奇」ですか?
この種の祭礼は日本に数多いのでは?
いったい「奇祭」って何?
ところで次の写真に共通するものはなんでしょう。
六地蔵の一つ、地蔵寺の桂地蔵。
百万遍知恩寺の御影堂。
万福寺塔頭・宝蔵院の外観と
ここで刷られている、鉄眼版一切経
これらの写真。いったい桜とどんな関係?
楽しみですね。
皆様のご存じない京都。
まだまだありそうですよ!
描かれた桜もいくつかご紹介。
ご存じ「醍醐花見図屏風」。
実はこの大イベントも
実はこの大イベントも
京都の名所と意外なつながりがあるのです。
現代の絵画も実に素晴らしい。
松岡映丘「春花春衣」の雅美。
奥村土牛「醍醐」の極美。
松林桂月「春宵花影」の絶美。
そしてこういう絵と桜の関係も忘れてはいけません。
知恩院蔵 通称「早来迎図」(国宝)
咲き誇る桜がわかりますか?
来迎図と桜の縁は深いです。
それに、これ。
「六道図」
小野小町とも檀林皇后ともいわれるこの女性。
小野小町とも檀林皇后ともいわれるこの女性。
桜の樹の下に捨てられてるって知ってました?
しかもこの桜、
明らかに死体の方になびいて
花びらを散らしていますね。
桜の下には死体が埋まっている、
といったのは梶井基次郎。
といったのは梶井基次郎。
桜の下で死にたい、
といったのは西行。
といったのは西行。
桜こそ日本の心
といったのは本居宣長。
といったのは本居宣長。
「敷島の大和心を人問はば
朝日に匂ふ山桜花」
この人のせいではないけれど
ここらあたりから
ここらあたりから
大和心と大和魂が結びついて
桜がきな臭いことに……。
日本の国花と目される桜。
硬軟とりまぜて、
清濁併せ呑んで、
今年も見事に咲き誇ることでしょう。
清濁併せ呑んで、
今年も見事に咲き誇ることでしょう。
是非、是非、お楽しみに!
もちろん、時間があれば(笑)
京都の名桜、珍桜もご紹介。
鴨川の桜
高野川の桜
百年桜
なんと、一重と八重が同じ枝に!?
普賢象桜
蕊が象の鼻のように長く垂れます。
●東京堤塾 魅惑の京都
「花に酔ゑ 京都・桜の神人花」 講師 堤 勇二
3月21日(土・祝) 午後1時30分~4時30分頃
於 きゅりあん 第4講習室 (3千円)
(品川区総合区民会館・JR京浜東北線、東急大井町線「大井町」下車)
●魅惑の京都 (京都)
「花に酔ゑ 京都・桜の神人花」 講師 堤 勇二
3月28日(土) 午後1時30分~4時30分頃
於 職員会館かもがわ 二階 大会議室 (3千円)
(河原町丸太町下ル二筋目東入ル。石長松菊園向かい。
京阪電車「丸太町駅」より徒歩5分)
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みなさまのお越しをお待ちしております。
京都・清遊の会 事務局
〒603-8341 京都市北区小松原北町135-30-108TEL&FAX075-465-9096
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