京都・清遊の会 雑学講座のご案内
2月24日(月祝) 於・職員会館かもがわ 二階
時間 9:50~12:00
シリーズ 近代数寄者物語Ⅱ
至高の美術 その魅力と魔力
人が道具を弄すのか、道具が人を狂わすのか、
名物を巡る息詰まる駆け引き、至高の美に憑か
れた人々が己の美意識と見識、感性のすべてを
賭けて織り成す絢爛たる魅力と魔力の物語。
名物を巡る息詰まる駆け引き、至高の美に憑か
れた人々が己の美意識と見識、感性のすべてを
賭けて織り成す絢爛たる魅力と魔力の物語。
前回に引き続き、
日本の美術と茶の道具を巡る感動の連続講話です。
明治維新を迎え、西洋至上主義となる世相の中で、日本の美や技術は無視され、その価値に気付いた外国人の手で二束三文の値で買い取られ次々に海外へ運ばれました。
平治物語絵巻 部分 ボストン美術館蔵
この迫力と臨場感 これほどの名品が
すでに日本にはないのです。
西洋熱がおさまり、落ち着いて回りを見渡したとき、日本はとんでもない宝を自らの手で失っていたことを知ります。
その過ちを見抜き、正すため、日本の伝統美術や芸術を再発見し、それを自らの趣味的生活の一部に取り込む人々が現れました。
梁楷筆 三幅対 中央出山釈迦図 左右雪景山水図
このうちの一幅が明治以来の最高値を記録します。
日本には大和絵画や仏教美術といった、生活とは別次元と思われていた作品を人々の交歓の場に巧みに取り込む文化のシステムがありました。それが茶の湯です。
食文化をも取り込んだ総合芸術 それが茶の湯
そこには五百年築かれてきた美の大系があります。
美術品が茶の道具として新たな活躍の場が与えられ始めると、それは本来の価値を取り戻し、かつて悲しいほど廉価だったものが、今度は狂ったように高騰し出します。それに伴い美術道具は庶民の手を離れ、富裕な人々の間を彷徨い始めます。
何の変哲もなく見える香合
これが実は値段破壊の倍率レコード保持者
一体何倍に跳ね上がったかわかりますか?
日本の美に魅せられ、それを手にすることを可能とする財力と、使いこなすことのできる美意識を持つ新たな財界人、それが近代数寄者と呼ばれる人々。
ともに鎌倉時代に描かれた屈指の名絵巻
実はたった一つの失言が取り返しのつかない悲劇を招きます。
果たしてその一言とは?
本シリーズは彼らの生き様と感性を通して茶の美、日本の美の底知れぬ魅力と魔力に酔いしれます。
かつてここで目も鮮やかな、
そして誰しもの涙を誘う茶事が開かれました。
その愛情と愛惜の表現に鳥肌が立つような感動を覚えます。
この香炉は明治を代表する二大コレクターの間で揺れた名品。
道具は何も言いません。
ですが、その背後に時代と人の本音が見えるのです。
著名な戦国武将が所持し、
明治になってそれを上回る豪傑が所持します。
道具は使ってこそ光を放ちます。
その顛末に思わず唸るいい話があるのです。
是非、お誘い合わせの上ご参加下さい。